| 1333 Tempera on wood, 184 x 210 cm Galleria degli Uffizi, Florence |
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無原罪による受胎を、天使がマリアに告げ知らせる場面は数々の絵画に描かれてきた。なかでもこの、シモーネ・マルティーニによる「受胎告知」は最も有名なもののひとつである。マリアの身の捩らせ方が、非常にリアリティを感じさせる。
無原罪の御宿りを告げ知らせにきたガブリエル。左手にはオリーブの木のようなものを持っている。
身をよじって驚きあきれるマリア。突然自分のもとに天使がやってきて、処女懐胎を知らせる。
人間的には驚いて当然と思われる出来事である。
この主題に基づいて多くの絵が描かれたが、そのほとんどは身を捩ることなどなく粛々と自らの運命を許容しているものであるに対し、このマルティーニの聖母は本当に困惑している。聖人としての光輪がついてはいるが、それ以外このマリア像はとても人間くさい。
ガブリエルと聖母の間には、輝く言葉が架橋されている。
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