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spatium artis ( 2009.3.11 updated ) | |||
St Andere | |||
聖アンデレ | |||
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■梗概 聖アンデレは、ペテロの弟で十二使徒のひとり。ギリシャにおいて、総督の妻が大病にて臥せっていたのを治療・改宗させ、それによりかえって総督の怒りを買った。 エックス字型の十字架で処刑されたと伝えられる。ゆえに絵画で表現されるさいには、attributeとしてエックス字型の十字架をもつ。ギリシアとロシア、そしてスコットランドの守護聖人であるのは、彼の伝導が広範囲であったことを示している。なお、スコットランドの国旗がX字を象ったものであったのは、彼の十字架由来である。 英語でいうところのセント・アンドリュー(Saint Andrew)。 マサッチオなどに同聖人の絵があるが、リベーラのこれは彼らしく実に写実的かつ陰影に富んだ作品となっている。 |
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卓抜な陰影表現。 半身を裸とした表現は、体表に刻まれた彼の年輪のごとき皺をもあざやかに示し、伝道の厳しさを物言わず語っている。 また、一点スポットライトを当てたような強い陰影は、まさしくカラヴァッジオを彷彿とさせる。 |
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X型の十字架。 アンデレのアトリビュートである。これにかかり、アンデレは殉教した。 もっとも、マサッチオの描いた聖アンデレの絵に描かれている彼の十字架はラテン式の普通の十字であり、エックス=アンデレ、の図式はそれ以降に成立したものである。英語では"Saint Andrew's Cross"で「X型の十字架」をあらわす。 X型は現行イギリス国旗「ユニオン・ジャック」にも影響を与えている。十字とX字の合成であるかの国旗は、そもそもイギリスの十字を象った国旗(セント・パトリック・クロス)と、スコットランドのX字を象った国旗(セント・アンドリュー・クロス)があわさって出来たものである。 |
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