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■狂言名曲紹介
濯ぎ川
 「また縫い物や、針仕事も、してもらいませう。
 「イヤ申し、わたくし針仕事は、いまだかつて致いたことがございませぬ。
 「今日から、習わしめ。
 「畏まってござる。
【集狂言】

◆登場人物
 シテ 男
 アド 女
 アド 姑

◆予備知識
 古典狂言の風格を漂わせた曲ですが、じつは戦後に飯沢匡によって作られた新作狂言です。

◆あらすじ
 婿養子の男は、朝な晩な、嫁と姑に使い倒されています。この日も、裏の川で濯ぎ洗濯をしてこいと申しつけられて、山のような小袖をもって洗濯にきています。
 洗っている最中、嫁がやってきて「まだ濯ぎものをしている、終わったら蕎麦の粉を挽け、これを早く仕舞え」と揉め始めます。男は「おびただしい小袖」を見せて、こんなにあるのにと一瞬、抵抗の体をみせますが、剣幕に圧されて引き下がります。
 嫁がひとしきり騒いでようよう引っ込んだと思えばすぐに姑がやってきて、「濯ぎものを早く仕舞え、終わったら風呂の水を汲め」と言いつけます。男は一瞬抵抗しますが、すぐ引き下がります。ひとしきり姑が嫌味を投げてようよう引っ込んだと思えば、再び嫁が様子を見に出て来、まだ仕舞い終わらずと見るや襟をつかんで男を投げ飛ばします。
 騒ぎをききつけて姑がやってきますが、すぐに嫁と姑で、「濯ぎものが済んだらしてもらわねばならない用事」の言い合いになります。男はそれを止め、「たくさん言われてもわからんから、紙に書き付けてください」と述べます。
 かくして、嫁姑で思い付く用事を全部投げ入れ、「一番鶏に起き出し……」から始まる「用事リスト」を作成します。米炊きから薪割り、牛馬の世話から縫製まで用事がびっしりと書き付けられたそれを受け取って、健気にも男は「書き付けられたことは皆、いたしますが」と言い、しかし書き付けられてないことは?と尋ねます。嫁姑は「書いてないことはせいでもよい」と答えます。男は濯ぎものを再開します。
 明日から楽々と暮らせるわ、と意気揚々と嫁姑は引き上げかけますが、男の急の声を聞いて急いで戻ってくると、洗っていた小袖が流れたとの由。びっくりして水に入った嫁は、急流に流されます。姑は「娘を助けてやってくれ」と頼みますが、男は「用事リスト」を読み上げ、これに書いてないと言うてつっぱねます。姑は謝罪し、それに乗じた男は自分が主人であることを再確認させ、女を助けますが、助けた女に「わらわが溺れるに、文などを読んでいた」とうちかかられます。怒り狂う嫁に男が追い込まれ、姑が「用事リスト」を破って退場し、幕になります。

◆みどころ
 ところどころの展開に若干の無理があるので、そこに気付かせないだけの演技力が要る曲だと思います。なお、原作は、小袖が流れた時、拾いにきた女を男が川へ蹴り落としますが、そのままだと余りにブラックで笑いにくいからか、狂言ではほとんど勝手に滑って流れます。

(2008.1.17 updated.)
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