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spatium artis ( 2008.11.20updated )
Riposo durante la fuga in Egitto
  エジプトへの逃避行上の休息
1596-97
Oil on canvas
133,5 x 166,5 cm
Galleria Doria-Pamphili,
Rome

【クリックにて拡大】

■梗概

 右側はいうまでもなく聖母子。弦楽器を弾くエンジェルの楽譜を、まるで付き人のように支えているのがキリストの養父ヨセフ。カラヴァッジオの有名作のひとつである。聖母子は聖楽を聴いて休らってたいへん結構な話だが、譜めくりのバイトみたいなことしてるヨセフ小父はおさおさ、心やすまるまいと存ずる。
 なお、この作品を描き上げた9年後、不世出の天才にして傍若無人の放蕩画家カラヴァッジオは知人を刺し殺してしまい、官憲を避けてイタリア半島を西へ東へ逃げ回る。彼は逃げながら、やはり休息を欲したであろう。聖なる楽を欲したであろう。
 自らが描いたこの大作は、彼の頭に去来しただろうか?

写実極まる「天使の羽根」表現。
あまりに現前的であるため、人肌のぬくもりと滑り気を感じさせる天使の背中から直接生えているのがむしろ不自然にさえ見える。

天使がど真ん中に立っていることによって画面が二つに割れ、それが結果的にキャンパスを広く感じさせているという指摘もある。

楽譜をもつ神の養父ヨゼフ。
 天使に導かれるがまま、イエスのサポートをしている。

彼ヨゼフは、ご存じのとおりダヴィデの直系ということになっているのだが、イエスと血が繋がっていない以上、それが如何なる意味を持つかということを考えることは、非キリスト教徒には難しい。

後ろに馬の瞳が見えるが、馬は誠実さの象徴である。

聖母子、および後ろに描かれた小さな湖。
広く抜けている背景は開放的な感覚をもたらし、また凪いだ湖面は、静けさと安らかさを表現している。
イエスはあくまでも無邪気で、稚い。

マリアの僅かに顰められたようにみえる眉間に、やがて我が子を襲い来る試練に対する戦きを見るのは、穿ちすぎだろうか。
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