コンテンツ > 美術 > デューラー > 四人の使徒 | |||
spatium artis ( 2009.3.13 updated ) | |||
Die Vier Apostel | |||
四人の使徒 | |||
|
【部分図。クリックにて拡大】 |
||
【注釈1】 古代ギリシアの医者ガレノスによると、四気質とは多血質(血液の優勢)、粘液質(リンパ液の優勢)、憂鬱質(黒胆汁の優勢)、胆汁質(胆汁の優勢)、のことである。 |
■梗概 世は宗教改革の時代、デューラーの故郷ニュルンベルクは新教派につくことを表明した。その一年後、既に名声嚇々たる晩年のデューラーは、二枚の絵をニュルンベルクに贈呈する。 これはキリスト教を代表する四人の使徒を描くとともに、当時の四気質説に基づいた四気質を描こうとしたとされている。 題名は使徒となっているが、四人のなかにはキリストの弟子ではない聖マルコも入っている。 彼らの足下には、デューラーの序文が記されている。 世の総ての支配者たちよ、この危うき時にあたり、人の惑わしを神の御言葉と取らざるよう、慎みて意を用いよ。神はその御言葉に何ものをも加えまた引くことを欲し給わず。されば四人の偉人、ヨハネ、ペテロ、パウロ、マルコより、彼らの戒めを聴くべし。デューラーは新教派だったが、同時に彼らの狂信性にも異を唱えた。 |
||
左がヨハネ、右がペトロ。 ヨハネは自身の福音書に記された神の言葉を読んでいる。また、ローマ教会の創立者ペトロは、自身のアトリビュートである鍵を手にし、福音書の言葉に耳を傾けている。 ヨハネは多血質、ペトロは粘液質をあらわしている。 |
|||
左側がマルコ。右の聖書を手にしているのがパウロで、プロテスタントはパウロを精神的な父とした。 マルコは胆汁質、パウロは憂鬱質を体現している。 |
|||
> 美術 top へ戻る | |||
|