spatium artis ( 2009.3.13 updated )
Die Vier Apostel
  四人の使徒
1526
Oil on lindenwood,
215 x 76 cm
(each panel)
Alte Pinakothek,
Munich

【部分図。クリックにて拡大】

【注釈1】
古代ギリシアの医者ガレノスによると、四気質とは多血質(血液の優勢)、粘液質(リンパ液の優勢)、憂鬱質(黒胆汁の優勢)、胆汁質(胆汁の優勢)、のことである。
■梗概

 世は宗教改革の時代、デューラーの故郷ニュルンベルクは新教派につくことを表明した。その一年後、既に名声嚇々たる晩年のデューラーは、二枚の絵をニュルンベルクに贈呈する。
 これはキリスト教を代表する四人の使徒を描くとともに、当時の四気質説に基づいた四気質を描こうとしたとされている。

 題名は使徒となっているが、四人のなかにはキリストの弟子ではない聖マルコも入っている。

 彼らの足下には、デューラーの序文が記されている。
世の総ての支配者たちよ、この危うき時にあたり、人の惑わしを神の御言葉と取らざるよう、慎みて意を用いよ。神はその御言葉に何ものをも加えまた引くことを欲し給わず。されば四人の偉人、ヨハネ、ペテロ、パウロ、マルコより、彼らの戒めを聴くべし。
 デューラーは新教派だったが、同時に彼らの狂信性にも異を唱えた。


左がヨハネ、右がペトロ。

ヨハネは自身の福音書に記された神の言葉を読んでいる。また、ローマ教会の創立者ペトロは、自身のアトリビュートである鍵を手にし、福音書の言葉に耳を傾けている。

ヨハネは多血質、ペトロは粘液質をあらわしている。
左側がマルコ。右の聖書を手にしているのがパウロで、プロテスタントはパウロを精神的な父とした。

マルコは胆汁質、パウロは憂鬱質を体現している。
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