| コンテンツ > 美術 > グィド・レーニ > クレオパトラの死 | |||
| spatium artis ( 2009.3.10 updated ) | |||
| Il suicidio di Cleopatra | |||
| クレオパトラの死 | |||
|
![]() 【クリックにて拡大】 |
||
| ■梗概 クレオパトラは、ご存じのようにエジプトの女王。のちのアウグストゥスであるオクタヴィアヌスに攻められ、遂に自殺を行う。その方法は、ガラガラヘビに胸を噛ませるという劇的なものであった。 レーニは瀕死のクレオパトラを、うら若い乙女として描いた。その瞳はもはや焦点をもたず、露出された肌は既に蒼白いが、頬にはわずかな血の気があり、未だ死を受けぬ彼女の、翳りある美しさを発散している。 |
|||
既にして瞳は死人のそれである。しかしながら頬はまだ乙女の温もりを湛えている。 その表情は死に際会していながら、あくまでも凄絶に美しい。 |
|||
既に彼女の美しい胸に咬傷をつけた蛇。ガラガラヘビである理由は本来、猛毒の蛇であるとともに、世界に分布する蛇のなかでも屈指の美しさを誇る種であるところ、この蛇はまるでジムグリの黒色変種であるかのように地味である。 死の毒牙が刺さっている隣に、生の象徴であるとともに性的象徴でもある乳房が零れている。 エロスとタナトスの共存。 |
|||
| > 美術 top へ戻る | |||
|
|||