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spatium artis ( 2015.1.30 updated )
Der Raub der Tochter des Leukippos
  レウキッポスの娘たちの略奪
c. 1617
Oil on canvas,
224 x 211 cm
Alte Pinakothek,
Munich

【クリックにて拡大】

■梗概

 1716年、アントワープにてプファルツ選帝侯ヨハン・ウィルヘルムに贖われたこの絵画は、ギリシア神話の一片を非常に大きなキャンバスに描いているものである。

 題名のレウキッポスとは娘二人の父親の名前であり、ギリシア神話の登場人物の一人である。
 彼にはポイベーとヒーラエイラという名の二人の娘がおり、妙齢に達してその美しさは評判になっていた。姉妹の美しさに惹かれたポリュデウケースとカストールというディオスクロイの兄弟は、略奪婚を試みる。絵でいえば左側、鎧を身にまとっているのがカストール、右側の上半身裸なのがディオスクロイである。

 実物は縦横2mを超える大きな作品であり、題材の鮮烈さもさることながら、その構造の見事さ、ダイナミズムに圧倒される名画である。


構成を見れば、左側は卍型、右側は逆卍が組み合わさったような構図になっている。劫掠を試みる力とそれを拒絶しようとする力がぶつかりあっているのが一目瞭然の見事な構図である。

レウキッポスの娘たちの抵抗も空しく、力は略奪していく右向きにかかり、やがて連れ去られる運命にあることを予見させる。

ディオスクロイの兄弟が操る馬には、それぞれ有翼のプットがとりついている。
娘二人はそれぞれ兄弟に奪われ、やがてムネーシレーオスとアノーゴーンという名の子供ができるが、それら結婚の象徴であるようにも思われる。

実に見事な肉体表現。

ルーベンス(とその工房)により塗り重ねられたような肌の乳白色は輝くようで、やはりここに登場する女性もそのシルエットは典型的な「ルーベネスク(豊満)」である。
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