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 ▽ Nicolai Myaskovsky
Concerto for orchestra and violin in d-moll op.44
  ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品44


■作曲 1938年
■初演 1939.10.10 モスクワ
■献呈 当作品はヴァイオリニスト、ダヴィッド・オイストラフに献呈された

■概要

 1938年に、三楽章構成として完成、当時のヴィルトゥオーゾ、ダヴィッド・オイストラフに献呈されている。スラヴ・ロマンティックの王道たる曲想で、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲から旨みを抜いたような作品である。

■楽章

 第1楽章 アレグロ。冒頭に出る、チャイコフスキー的な甘々とした短調主題が最後まで繰り返されるソナタ形式。展開部の最後のほうに現れるソロは五度跳躍を繰り返す技巧的なもの。主題の一部である「タタタ・タン」という運命リズムを多用するが、それらはどうしても飽きにつながってしまう。また、本来の主題の形をひきずって展開が十分ではないため、終わった際にどうしても、中途で終わったような、尻抜けの気配がある。
 第2楽章 アダージョ・エ・モルト・カンタービレ。曲中もっとも甘やかな曲であり、おそらくCM曲などで使われ耳に馴染んだならばちょっとした話題になるだろうという楽章。ロマンティッシェの王道、スラヴ・ロマン主義の守護者たるミャスコフスキーの面目躍如たるところだろう。一個の清澄な夜想曲のようだが、この澄んだ美しさは、出来るだけ管弦楽がソロ・ヴァイオリンの邪魔をしないように注意深くなされたオーケストレーションにあると考える。高音で揺れ歌うソロを、旋律を行き渡す木管が優しく支える中間部は実に美しい。
 第3楽章 アレグロ・モルト−アレグロ・スケルツォーソ。最初は重厚に出るが、じき跳ねるようなロンド楽想の主題となり、バレエの田舎の踊りのような楽想へ移る。主題は若干の変奏を見せるが、大きく形式を変えることはない。第2楽章とうって変わって管弦楽的で、マーラーの交響曲第五番最終楽章の薫りも感じ取れる。もっともあれほど複雑ではない。田舎踊りのような主題が帰ってきて、まるで落ちるようにして全曲をしめくくる。

(up: 2008.11.26)
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