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Piano Concerto No.1 in c-moll op.35 ピアノ協奏曲第1番 ハ短調 作品35 ■作曲 1933年3月〜7月 ■初演 1933.10.15 レニングラード フィルハーモニー大ホール 作曲者ドミトリ・ショスタコーヴィチ自身のピアノ独奏 フリッツ・シュティードリ指揮 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団による |
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《楽器編成》
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■概要 楽器編成を確認すると分かるように、弦楽合奏、トランペット、独奏ピアノしかない。正確な名称は「ピアノと弦楽オーケストラのための協奏曲」である。 当時25歳、新進気鋭の作曲家らしく、ジャズを含めた西欧現代音楽の影響を十分に加味した、しかしショスタコーヴィチらしい、明澄な作品になっている。 ■楽章 第1楽章 アレグレット 4分の4拍子。ソナタ形式。第1楽章はハ短調だが、美しい外見に、調性を抜けようとする棘が潜んでいる。弦が復唱後すぐにピアノが現れるが旋律が圧縮されている。第2主題は最初にピアノ左手に現れるホ音から駆け上がるような快活な主題。スタッカートでトランペットがアクセントをつける。展開部は第2主題を奏するトランペットで開始されるが、すぐに第1主題が展開され、複雑な表情を見せる。ヴァイオリンに第1主題が再帰して再現部になる。結尾部はモデラートで、チェロなどにエスプレッシーヴォの旋律が出るが、ピアノ独奏に第1主題がまた現れ、ざくっと終わる。 第2楽章 レント 4分の3拍子。三部形式のワルツ。弦合奏で悲歌のようなゆるやかな旋律が出る。ピアノが哀しげな表情で答える。ややあって弦に新しい旋律が出た後、アパッショナート・マルカティッシモの表情指定に変わり、チャイコフスキーのような楽想となるが、すぐに静まる。ラルゴとなり、再び悲歌のような旋律を奏する弦合奏に乗って、トランペットに再現部主題が出る。ピアノが対位するところに出るトランペットが微妙にちぐはぐで、如何にもショスタコーヴィチらしい。 第3楽章 モデラート 4分の4拍子。三部形式。間奏曲。分散和音は空から降る雪のようだが、すぐに積雪したような重々しい旋律が弦合奏で出る。ピアノは冒頭主題の似た、あくまでも白く輝く分散和音を奏でる。第4楽章に直接繋がる。 第4楽章 アレグロ・コン・ブリオ 4分の2拍子。ロンド形式。冒頭主題はピアノで、オクターヴで奏される。ヴァイオリンにギャロップ風のリズムが出て、跳ね上がるようなロンド主題が出る。やがてシュネル・ポルカのような主題がピアノで出、トランペットが受けたのち、ジャズ風の曲想になる。トランペットがスタッカートで光を放つような旋律を吹き、プレストの結尾部に入る。あるいはロンドの、あるいはジャズ風の主題が交錯する中、明るいトランペットのリズムでざくっと曲が終わる。 ■蛇足 若いショスタコーヴィチの才能が溢れ輝いている。 (up: 2008.2.22) |
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