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ボロディン四重奏団。分売が見つからなかったので全集。




String Quartet No.6 in G-Dur op.101
  弦楽四重奏曲第6番 ト長調 作品101

■作曲 1956年
■初演 1956.10.7 レニングラード グリンカ小ホール
  ベートーヴェン弦楽四重奏団による
《楽器編成》
Violin 2 Viola Cello


■概要

 1956年。ショスタコーヴィチにとっては停滞期の作品である。
 この年に作曲された作品は、この弦楽四重奏曲第6番以外には、作品番号がついているものでいえば映画音楽《第1梯団》(および《第1梯団》をベースにした組曲)作品99、そして歌曲《スペインの歌》作品100、しかない。
 とはいえ、産みの苦しみで暗鬱な曲かといえばさにあらず、当時はのちに電撃結婚を果たすマルゲリータ・カーイノヴァと恋愛関係にあり、母親と妻は亡くしていたものの(当Web「ショスタコーヴィチの生涯」第7部参照)、存外ほがらかな曲想が相通じている。

 なお、1956年10月7日の初演はショスタコーヴィチの生誕50年記念演奏会であった。

■楽章

 第1楽章 アレグレット ト長調 4分の4拍子。ソナタ形式。ヴィオラの軽快な切分音に乗せて、ヴァイオリンが田園的な第1主題を出す。弦楽四重奏曲第4番第4楽章で提示された、ユダヤの舞曲リズムに相似ている。全曲通じてこの第1主題をベースに有機的に構成される。続く第2主題はニ長調。落ち着いた旋律である。展開するというよりは動機を並列提示しているような形で進行し、ト短調に転調して第1主題が再現される。各主題の断片の対話から緊張が高まり、第2主題がやや不気味な変ホ短調に変容して再現される。最終的にはト長調に戻って第1主題が再現され、チェロのカデンツァにてゆるやかに楽章を終える。
 第2楽章 モデラート・コン・モート 変ホ長調 4分の3拍子。ロンド形式のスケルツォ。メヌエット風でヴァイオリンに出る第1主題、ワルツ風でチェロに出る第2主題が繰り返された後すぐ、半音下降音型から始まるヴァイオリンに出るテルミン的な第3主題が次々に奏される。ピッツィカートで第1主題が繰り返され、ヴァイオリンの高音域にて第2主題が繰り返され、第3主題は低音に移行されて再現される。第1楽章と同じカデンツァで締めくくられる。
 第3楽章 レント 変ロ短調 4分の4拍子。パッサカリア。チェロ独奏にて息の長い、そして暗いが乾いた主題が出る。第1変奏はヴィオラが、第2変奏はヴァイオリンが主役を務める。第3変奏は全合奏にて表現され、第4変奏は音価が変えられる。第5変奏に至る前にロシア風の間奏が挟まれる。第5変奏は再び第1ヴァイオリン、第6変奏はその第1ヴァイオリンにチェロとヴィオラが呼応する。第7変奏にて例のリフレインが再現され、アタッカにて終楽章に続く。
 第4楽章 レント-アレグレット ト長調 4分の3拍子。ロンド・ソナタ形式。ワルツ風でヴァイオリンに出る第1主題、およびポルカ風でチェロに出る第2主題とも、第1楽章主題に範をとっている。第2楽章の主題断片も登場する第1主題の動機展開の最中、第3楽章のパッサカリア主題が提示される。次第に静まったのちに第1楽章の田園的主題に回帰し、今までの楽章と同様、カデンツァが登場して優しげに楽章の幕を引く。

■付記

 第1楽章第1主題が第4楽章と連係していることのほか、全楽章を通じて結尾に同じカデンツァをもってくるなど、曲全体を通じた有機的連関を意識しているのがよくわかる曲である。全曲通じてどこか田園的な素朴な雰囲気があること、また一見暗鬱なような雰囲気をもつ第3楽章が厳密なパッサカリア形式をとっており、形式的な安定性をもっていることも相俟って、漫然と聴いていても落ち着きを感じる曲である。

(up: 2015.1.24)
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