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Katherina Izmailova op.114
  歌劇《カテリーナ・イズマイロヴァ》 作品114


■作曲 1930-32年 ⇒ 改訂1956-63
■初演 1963.1.8 モスクワ 国立モスクワ音楽劇場
■台本 アレクサンダー・プレイスとショスタコーヴィチによる
■言語 ロシア語
■時代 19世紀
■場所 ロシア・ムツェンスク郡

《楽器編成》
Picc., Fr. 2 Ob. 2 E.Hr.,KCl. Cl. 2, BCl Fg. 2, CtrFg.1
Hr. 4 Tromp. 3 Tromb. 3 Tuba Tim.
1st Violin 16 2nd Violin 14 Viola 12 Cello 12 C.bass 10
Symbal Tamb. Tamtam Triangle Celesta
Xylophone Glockenspiel Bass drum Side drum Harp

※《ムツェンスク郡のマクベス夫人》と同じ。
《おもな登場人物》
ボリス・イズマイロフ (バス) ジノーヴィの父。エロジジイ。劇中カテリーナにきのこ料理で殺される。
ジノーヴィ・イズマイロフ (テノール) 富裕な商人。第1幕からいきなり留守にしてカテリーナの浮気の原因をつくる。のちセルゲイに殺される。
カテリーナ・イズマイロヴァ (ソプラノ) ジノーヴィの妻。結婚生活が冷えきっており、身体が火照っている。
セルゲイ (テノール) 新しく雇われた使用人。男っぽい。『チャタレイ夫人の恋人』のように、カテリーナはこのセルゲイに惹かれていく。
アクシーニャ (ソプラノ) 元々居る太っちょの使用人。セルゲイ他にいじられる。
ソニェートカ (メッゾ・ソプラノ) 第4幕で登場する若い女囚。のちセルゲイとデキる。
老囚人 (バス) 第4幕で囚人の抒情詩めいた悲しい詩を詠う老人。防人の詩を彷彿とさせる。


■概要

 作品番号114を与えられたこの《カテリーナ・イズマイロヴァ》というオペラは、彼の《ムツェンスク郡のマクベス夫人》を改訂したものである。

 1954年、最初の妻ニーナの死と相前後して改訂され始めたこの作品だが、50年代という時代は《マクベス夫人》には冷たかった。レニングラードのマールイ歌劇場、あるいはキーロフ歌劇場などで上演の話が出るも、反対者が必ず現れ、上演計画はその度に流れた。しかし諦めることなく自分の作品の価値を信じ続けるショスタコーヴィチ。遂に1963年、「題名を変更するようにという指示」つきで改訂版初演が行われた。改題《カテリーナ・イズマイロヴァ》である。

 ショスタコーヴィチは改訂するにあたり、第2幕の性的暴力の表現を削除し、卑猥な表現を一部改めた。それに伴い楽譜の一部は細かいところの手直しをされ、歌いやすくなっている。また、第1場と第2場の間、第7場と第8場の間にある間奏曲はこの際に追加されている。
 台本内容自体はそのまま受け継いでいるものの、一部付け加えられているところがある。第3幕、老囚人が詠唱する台詞には、「ああ、なぜ、我々の人生はこうも暗く、恐ろしいのか?人間はこんな人生のために生まれてくるのか?」という文句が追加された。

■内容

※内容は《ムツェンスク郡のマクベス夫人》と基本的に同じなので割愛。

■付記

 表現意欲に溢れた若き日、ベルクの《ヴォツェック》のような表現主義から、より老成したショスタコーヴィチが、内省的な方向へ向かう改訂、といえるかもしれぬし、あるいはより常識的な方向へかじを切った、というべきかもしれぬ。いずれにせよこの改訂版が出た頃のショスタコーヴィチは割に順調な時期であり、1961年に隠されていた交響曲第4番の初演が行われ、1962年に28歳年下の3番目の妻と結婚し、そして同じ62年12月には交響曲第13番《バビ・ヤール》が紆余曲折ありながら初演にこぎつけて評判をとり、翌63年1月にこの《カテリーナ・イズマイロヴァ》の初演が行われている。
 ただ、これ以降の作品も優れたものが多いが、やはり若き日のナイフ・エッヂのような鋭さがショスタコーヴィチに戻ることはなかった。もちろんそれも作曲家としての、成長のひとつといえるのかもしれぬ。

(up: 2015.1.9)
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