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調性(ちょうせい) tonality[英] , Tonalitaet[独] , tonalite[仏] , tonalita[伊] 広義においては、支配的な中心音を有する音体系を、狭義においては、長短調いずれかの主和音をもつ和声的な音体系をさす。 前者の旋律的調性は、旋法性をも包含する概念であり、おもに20世紀以降の無調音楽や非音高的な一部の民族音楽などに対立するものとして用いられる。ただし、明らかに中心音があっても、その背後になんらかの音階システムの存在がなければ調性的とはいえない。また、逆に全音階的なシステムを基盤にしながらも、中心音の働きが弱いものを汎調性とよぶ。 一方、後者の和声的調性は、旋法性を含まない概念である。ゆえに、およそ17世紀頃にヨーロッパにあらわれ、現在のポピュラー音楽にまで用いられている、長短調を基盤にした機能和声的音楽の音体系のみをさす。この場合、音高のみならずリズムや強弱といった要素も、主和音をとりまくヒエラルキーの確立、すなわち調性感の確立に大きく関与するのが特徴である。 (以上、音楽之友社『音楽中辞典』より) |
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■調性一覧表■
※一覧表を下に下がれば属調、上に上がれば下属調関係になる。 例えば―― ハ長調の属調はト長調 ト短調の属調はニ短調 ヘ長調の下属調は変ロ長調 嬰ハ短調の家族長は嬰ヘ短調 ※※また、一覧表を横に見ると平行調関係になる。 例えば―― ニ長調の平行調はロ短調 ハ長調の平行調はイ短調 |
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(※註釈1) 勿論「調性」をよりどころにしていない音楽もまたたくさんあり、よりどころにしてないことをよりどころにしている、という、屈折した付き合い方をするひとびと――それはまるで巨人ファンの一変種としての「アンチ巨人」のような――が出て来て「調性」を一度バッラバラに分解してしまったのが20世紀初頭である。 むかしはアンチ調性をいけすかねえ野郎だと思って(むかしのサイトに「現代音楽」の悪口を書いたりして)いたわたしだが、いまは深く尊敬し帰依している。 (※註釈2) ロマン派特にシューベルト辺りは遠隔調転調などの自由な転調を行うようになった。未完成交響曲などは転調転調で音色に七色の変化をもたらす。 (※註釈3) 第2主題は安らかな調性を選ぶことが多かったため、違和感の少ない平行調転調(=長調への転調)を行ったのだと思われる。 |
ピアノを前に座ってみて、手前がわのド、から向こう側のド、までの間に、白鍵が七枚、黒鍵が五枚あって、全部で十二枚の鍵盤がある。幼少のころ、なんで色が違うのかとピアノを前にして悩んだひともいるはずだ。わたしは悩んだ。 ピアノを前に座ってみて、1オクターヴだけを使って、心地いい音楽を一曲作ろうとする。確かに目の前には1オクターヴ、その中に十二枚の鍵盤が見えるが、実際のところ、つかう鍵盤は五枚とか、七枚とかいう程度である。必ず十二枚使わんと心を鬼にして平等主義を貫くと、「現代音楽」と呼ばれ敬しつつ遠ざけられている音楽に似てくる。 ドレミファソラシド(ハ長調)でもラシドレミファソラ(イ短調)でもいいけれども、心地よい旋律には基本に「音階」という形式があって、十二枚のうちの七枚くらいを選んで階段状にしたものだ。この枠内で旋律を作ると結構美しいと思いますが、という努力目標のようなものである。そしてその「音階」がよりどころとしているのが「調性」である(※注釈1)。 転調傾向として、 ◎古典派―ソナタ形式においては、(※註釈2) ・第1主題が長調ならば属調に転調することが多い。 (すなわち、第1主題がヘ長調の場合はハ長調に転調する) ・第1主題が短調ならば平行調に転調する(※註釈3)ことが多い。 (すなわち、第1主題がト短調の場合は変ロ長調に転調する) |
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